その他2017/10/10
各診療・部門から~呼吸器外科~
【診療科の特色】
当院は、2012年4月より、産業医科大学呼吸器・胸部外科より常勤医1名が
赴任し、おんが病院呼吸器外科が新設されました。
その後、症例数も増加傾向となり、呼吸器外科学会関連施設に認定されております。呼吸器内科も週2回、九州大学と産業医科 大学から診療に来て頂いており、呼吸器疾患に対して、外科、内科両面から診療が可能となっています。また、産業医科大学とも密に提携して、より専門性の高い診療を目指しております。
【肺癌についての最近の知見】
我が国の死因第1位は悪性新生物であり、部位別にみると肺癌が第1位です。早期には症状に乏しく、比較的進行した段階で発
見されることが多いのが特徴です。肺がんの5年相対生存率は、「転移がなく肺内に限局する段階」では57%以上と比較的良好で
すが、それ以上進行した状態では治療効果は不良です。最近、免疫治療が導入され、注目を集めています。ニュースでも取り上げ
られています(高価なため、医療費を高騰させています)が、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とペムブロリズマブ(商品名:
キイトルーダ)です。両者とも、細胞障害性抗癌剤に比べて有害事象が少ないのですが、免疫関連の有害事象も報告され、慎重な
使用が必要です。長らく、肺がん治療の第1選択であった細胞障害性抗癌剤と比較して有意差をもって、無増悪生存期間・生存期
間の延長を認めたのは、驚きの報告でした。当院でも導入しており、細胞障害性抗癌剤に比べて、有害事象が少なく、また、点滴
投与時間も短くて済むことから、多くの人が、外来での投与をしている状況です。
肺がんの治療は日進月歩です。治療を行うためには組織型の判明のみならず、遺伝子解析・免疫反応の有無などの検査が必要
です。最近の薬は比較的有害事象が少ないため、状態の悪い人に使用することが可能です。外科治療を組み合わせて、全人的な
治療を提供することを心がけています。
【スタッフ紹介】
岩浪 崇嗣
(いわなみ たかし
)
呼吸器外科部長
詳しくは、
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