おんが病院は、遠賀・中間地域の急性期病院として地元の医療機関と手を携え皆様の健康を守ります。

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新たな取り組み

地域包括ケア構想

はじめに

理想的な病院像  遠賀中間医師会病院では、Done is better than perfect. 完璧を期するよりも、まずはやってみよう!という気持ちで、右図のようにより理想的な病院を目指して一歩一歩進んできました。しかし、医療を取り巻く経営環境が年々厳しくなる中、医師会病院の経営基盤をより強固なものにし、経営的に安定した病院を持続させるために新たに「次の10年構想」を立てています。てみよう!という気持ちで、右図のようにより理想的な病院を目指して一歩一歩進んできました。

高齢者に優しい町作り

高齢者に優しい町作り -地域包括ケアモデル-  2025年を前にして、我が国では大都会から過疎地まで国を挙げて高齢社会を上手く乗り切るための知恵を出し合わなくてはいけません。
 高齢者は住み慣れた土地での生活を希望するので、右図のように病院・診療所・介護施設・行政などが一体となって協力し、地域完結型の医療・介護の充実をはかることが必要です。
 一方、遠賀中間地区の高齢者対策は非常に遅れているので、遠賀中間医師会がリーダーシップを取って「在宅総合支援センター」および「地域総合支援センター」を開設し、効率的で質の高い在宅支援を積極的に行って、高齢者にやさしい町作り事業を展開しています。

地域包括ケア構想

 国は地域包括型の医療に力を入れていますが、おんが病院は「地域医療支援病院」に加えて「在宅療養支援病院(機能強化型)」に認定され、これからは、病院を受診された患者さんだけではなく、自宅に居らっしゃる患者さんや高齢者のお世話もさせて頂くことになりました。
 国の財政支援により平成27年10月に「在宅総合支援センター」を開設しました。このセンターには、訪問看護ステーション、ケアプランセンター、相談窓口、健診センター、地域在宅医療介護連携推進協議会などを置き(下図)、在宅サービスの質の向上、情報の共有、医療・介護従事者の教育などを一元的に行い、住民が安心して生活できる社会環境を整備しました。健診センターでは遠賀中間地域の住民健診を行っており医師会の使命である「地域住民の健康を守る」事業も推進しています。
 また、おかがき病院では、この10年間、地域に密着したきめ細かなサービスを提供してきました。とくに、慢性期疾患のリハビリに力を入れてまいりましたが、次の10年も地域住民が必要とする病院であり続けるためには、どのような改革が必要であるのか検討し、平成28年6月に「地域総合支援センター」を開設し、医療重視型ショートステイ、重度認知症デイケア、通所リハビリテーションといった超高齢社会に対応した環境を整備しました。

遠賀中間医師会在宅総合支援センター組織図
遠賀中間医師会 在宅総合支援センター 在宅総合支援センターのサイトはこちら遠賀中間医師会 地域総合支援センター 地域総合支援センターのサイトはこちら

おわりに

 将来的には、医師会病院が中心になって、汎用型電子カルテを活用し、病院・診療所・歯科医院・薬局・介護施設などでネットワークを構築し、情報を共有することによって、1患者・1情報となり、細かな住民サービスが可能になると考えています。そして、さらに進みゆく少子高齢社会に対し、高齢者にとって「安心して老後を暮らせる街」だけではなく、若い家族にとっても「安心して子育てができる街」にするべく医師会病院として地域医療に貢献していこうと考えております。

病院救急車の利用について

 2011年の救急総合診療科の開設以降、積極的な救急搬送受け入れを行ってきました。開設当初は400台程度であった救急搬入件数も、現在は年間1000台超へと増加いたしました。高齢化社会の中で地域における救急搬送件数も年々増加の一途をたどっており、当院としても引き続いて積極的な受け入れを行い、地域に救急医療に貢献してまいります。
 また、新たな取り組みとして、平成29年度1月より当院の救急車(病院救急車)を利用した施設やクリニックからの準救急患者の受け入れも開始しました。高齢化社会の中で、救急搬送件数増加と共に、施設やクリニックからの転院搬送件数も増加しております。今後もさらなる増加が見込まれ、消防署の救急車への負担も増加しているのが現状です。これらの増加する施設からの搬送やクリニックからの転院搬送に当院の救急車を積極的に利用し、地域の救急医療への貢献と共に、消防救急車の負担軽減を図って参ります。 病院救急車内ではモニター管理、酸素投与、輸液などが可能です。緊急の受診が必要な際には、地域連携室にご連絡いただけば対応させて頂きます。

救急車受け入れ台数

世界初の注射薬自動読取装置(SPASER:オオクマ電子株式会社)

オオクマ電子株式会社(株)社製(本社:熊本市)SPASER(使用済み注射薬自動読取装置)  おんが病院では2011年8月よりオオクマ電子株式会社と共同で世界初の注射薬自動読み取り装置(SPASER)を開発し、さらにSPASERを中心としたシステム(SPASERシステム)を構築し手術室における注射薬および医療材料の管理を行っています。
 一般に手術室において使用した薬剤器材の請求は、医師、看護師、医事課それぞれによる確認と入力で行われていますが、それぞれの段階において確認漏れや入力ミスの危険性があります。そのためこの問題を解決するためにSPASERシステムを開発しました。実際の運用方法ですが、1症例毎に患者搬入前の手術準備から患者搬出までの薬剤の空容器および器材のパッケージをすべて一箇所に集めて、アンプルおよびバイアルはSPASERに投入します。器材のバーコードシールは台紙に貼り付けスキャンしてデータを一括で読み取ります。このように処理することにより使用薬剤器材が一括で確認、記録できるだけでなく、手術処置伝票の作成も自動で行うことができ、そのデータを医事課システムに自動的に送ることにより正確な請求が可能となりました。また、SPASERシステムでは手術・処置毎のすべての薬剤器材が一覧表示されるだけでなく、器材のバーコードには算定できるものと手術料に含まれるのが記録されており、これまで把握困難であった1手術ごとのコストが正確に確認できるようになり、コスト削減が容易になりました。
 SPASERシステム導入により術後の使用薬剤器材の平均確認業務時間は60分から15分に短縮しました。残業時間はSPASERシステム導入前の月平均160時間から導入後には54時間へと著明に減少し、さらに、肝切除での医療材料と薬剤を従来通りの看護師の手作業で確認したところ40種58点であったのに対しSPASERシステムで確認すると51種81点と28%の漏れが確認でき請求漏れを防止できました。手術コストについては償還できない腹腔鏡関連器材の見直しなどで腹腔鏡下胆嚢摘出術においてSPASER導入前後で12万円のコスト削減が可能でした。
 このようにSPASERシステムは請求漏れの撲滅、看護業務の軽減、手術原価計算によるコスト削減の3点において非常に有用で病院経営の健全化を可能にしました。現在、このSPASERシステムを発展させ手術室だけでなく病院全体の薬剤および医療材料の入出庫管理をリアルタイムに行う世界初のシステムをオオクマ電子とともに開発中です。

医薬品注入コントローラ(フローサイン:アイム社製)

 おんが病院ではアイム社と共同で輸液ポンプではなく自然滴下で輸液量をコントロールする安全な輸液システムを開発しました。これまでは正確に輸液量や輸液時間を調節するためには輸液ポンプが必要でしたが、電源が必要で非常に重たく点滴しながらの歩行時に転倒する危険がありました。また、高齢者などでは血管がもろく血管外に輸液が漏れ出すことがありますが、輸液ポンプでは輸液を押し込むことにより漏れを広げ場合によっては薬液の影響で皮膚潰瘍を形成する可能性もありました。しかし、フローサインは自然滴下型であり、漏れがあると輸液注入がストップしますので漏れを広げる危険性もありません。さらに重さが300gと軽く、電池式で300時間の継続使用が可能です。おんが病院では病棟や外来だけでなく、在宅での輸液にもこのフローサインを使って安全安心な輸液治療を行っています。

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