その他2018/06/06
各診療科・部門から~救急総合診療科~
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【遠賀郡における救急医療の現状】
表1.平成27年国勢調査表
上記の表の通り、平成27年の国勢調査によると遠賀郡における高齢者の割合は水巻町30.2%、芦屋町28.9%、岡垣町31.1%、遠賀町30.7%と人口の約30%が高齢者となっています。高齢化率の全国平均は約27%ですので、全国平均と比較し遠賀郡は高齢化がより進んでいると言うことができます。
高齢化の進行は、救急搬送件数増加に直結し、以下の表の通り、遠賀郡においても救急搬送件数は右肩上がりの状況です。また全救急搬送件数の内、高齢者の占める割合は約70%に上り、今後も高齢化が進むとともにさらなる救急搬送件数の増加が予想され、2035年ごろまでは搬送件数は増え続ける可能性があると言われています。
表2. 遠賀郡における救急出場件数 表3.遠賀郡における年齢別搬送比率
【当院の救急医療の現状と地域における役割】
表4.当院の救急車受け入れ台数
表5.救急搬送患者における年齢分布(平成28年度)
表6.搬送元
上記に示した通り、当院の救急車受け入れ台数も徐々に増加を認め、平成28年、29年度は1000台超の救急車の受け入れを行いました。当院の搬送患者の特色としては、地域の高齢化を反映してか、約8割超が65歳以上の高齢者であり、その中でも75歳以上の後期高齢者が約70%を占めています。平成27年度版の総務省のデータによると、救急搬送患者に占める高齢者割合の全国平均が55.5%とのことですので、当院は如何に高齢者の割合が高いかがお分かりいただけると思います。また搬送元も高齢者施設からの搬送が、約27%と1/4を占める状況であり、搬送患者の入院率も約70%に上っております。以上のデータより、当院に求められる救急医療における役割は年間1000台程度の救急搬送患者の受け入れと増加する高齢者救急への対応といったことになると思われます。
当院はベッド数が100床と決して大きな病院ではありませんが、地域医療支援病院の指定を受けており、地域に密着した医療の提供を目指しております。年々増加する救急搬送患者の受け入れ先として大病院のみでは対応しきれない時代となっており、当院のような中小病院の救急医療における役割も非常に大きくなっています。当院としては、郡部における救急医療の一翼を担い、地域で完結する救急、特に高齢者救急に力を入れ、安心できる救急医療を提供できるよう今後も頑張って参ります。
【平成28年度実績】
救急搬送患者数: 1104名
入院患者数: 737名(入院率66.8%%)
心肺停止患者受け入れ数: 28名
【平成29年度実績】
救急搬送患者数: 1084名
入院患者数: 795名(入院率73.3%)
心肺停止患者受け入れ数: 27名