おんが病院は、遠賀・中間地域の急性期病院として地元の医療機関と手を携え皆様の健康を守ります。

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新着情報

その他2021/01/27

各診療科・部門から~小児科~


 前回このページを小児科が担当したのは2019年1月、本格的なインフルエンザシーズンへの突入時期であり、2009年の“新型インフルエンザ”パンデミックの話と絡め、子どもたちのインフルエンザ感染症で注意いただきたいことを書きました。そして今は、2020年の12月。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大が止まらない中、皆さんの日頃の感染対策が功を奏してなのでしょう、今のところインフルエンザ流行の兆しが全く見られないのは不幸中の幸いです。
 耳にされた方も多いと思いますが、これもまた幸いなことに、COVID-19はほとんどの子どもたちにとって軽い感染症であることが世界的に示されてきました。2歳未満の乳幼児、肺や心臓、神経系などに基礎疾患をもった子どもたちの中には重症例が報告されていますが、それでも、成人層に比べると重症例・死亡例の少なさは桁違いです。日本では12月16日時点までに0~19歳の子ども・若年者では14,286名の感染者数が報告されていますが、そのうち重症例は2例、死亡例はゼロです(1)。全体の感染者数の増加に伴い、園児や児童・生徒間での集団感染例も増えてきましたが、子どもたちの感染のほとんどは、同居の成人が家庭外から持ち込むことが原因になっています。
 一方で、3月から突然実施された一斉休校は子どもたちの心身に甚大な影響を与えました。多くの親御さんたちも大いに戸惑い、悩まれたことと思います。当たり前の日常が奪われた影響で、心や体の不調を訴えて小児科を受診するお子さんたちが大変多くなっています。これは世界的にも問題視されており、国内外の複数の専門家により、一斉休校が社会全体の感染流行拡大の予防にあまり寄与しないこと、それよりも子どもたちに与える悪影響の方が大きいこと、子どもたちが学校を休むことで保護者が仕事に出かけられない影響が社会的・経済的に無視できないこと、などが示されてきました。私たち大人が、感染拡大を防ぐために子どもたちにお願いすることは、①適切な方法とタイミングでの手洗い・手指消毒、②可能な子にはマスクを「正しく」装着してもらう、そして何より大切なのは、③体調不良の時はひとまず集団生活から離れる(そして保護者さんはかかりつけ医に子どもの状態を相談し経過を見てもらう)、以上の3つで十分なように思います。大人の感染予防が子どもたちの日常を守るうえでとても重要です。子どもらしい生活を送る権利を守るために、私たち大人は、率先して感染リスクの高い場所や行動を可能な限り避けて、子どもたちの手本として、①~③を守ることを続けましょう。なお、ここに記したことの詳細は日本小児科学会(2)や国立成育医療研究センター(3)のホームページに詳しく書かれています。一度ご覧になってみて下さい。色々な情報が飛び交い、何を信じて良いのか不安になる方も多いと思いますが、まずは公的な情報源からのお知らせを一読されることを強くお勧めします。
 
 古来、人間は様々なウイルスの「乗り物」となってきました。ウイルスは断りなしにいつの間にか“ただ乗り”してきて、私たちを増殖のために利用します。そしてこの新型コロナウイルスは、これまで人類が対峙してきた数多くのウイルスの中でも、最大級に狡猾です。ヒトが太古の昔から続けてきたこと(集まり、喋り、歌ったり食べたり飲んだりする)、そして発展し享受してきたこと(短時間で世界各地を移動できる)を利用し、瞬く間に世界中に広がりました。私たちはそんなウイルスの裏を上手にかき、賢く振舞う必要
があります。いつか必ずこのような日々は終わりますから、その日まで一緒に頑張りましょう。

 なお、おんが病院小児科では患者さん・保護者さん同士、医療スタッフの感染防止に万全を期して対策を実施中です。心身の健康に不安がある場合や予防接種のための受診は決してためらわないで下さい。来院前には必ずお電話にて相談下さいますようよろしくお願いします。



引用サイト
  1. (1)https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
    (2)http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=342
    (3)https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/covid_qa/index.html

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