おんが病院は、遠賀・中間地域の急性期病院として地元の医療機関と手を携え皆様の健康を守ります。

  • 地図と交通手段
  • お問い合わせ
  • 093-281-2810
  • 受付時間

    月~金 8:30~11:30

  • 休診日

    土曜日・日曜日・祝祭日

新着情報

お知らせ2022/11/15

各診療科・部門から~小児科~


 前回本ページを担当した2020年12月から、ほぼ2年が経過しようとしています。その時は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本で本格的に流行を見せる中、幸い子どもたちには重症例が少ないこと、その時点では国内の小児死亡例がゼロであることをお知らせしました。しかし残念ながら変異株、特にオミクロン株の流行拡大に伴い、子どもたちへの感染拡大が急激におこり、今年の7月と8月だけでも、国内で41名のお子さんが亡くなったことが報告されました1)。この報告の中で特に注目いただきたいのが、①亡くなったお子さんたちの半数が持病のない健康なお子さんだったこと、②亡くなるまでの日数が発症から4日ほどと大変急激な経過を辿られていること、③大半のお子さんがコロナワクチン未接種であったこと、この3点です。
 
 COVID-19という感染症、またこれに罹患したときの注意事項、コロナワクチンに関して数多の発信源による様々な情報が世の中にあふれ、多くの保護者の皆さんは一体何を参考にしたら、あるいは、信じたらよいのか、たくさんの場面で困惑されてきたことと思います。我々医療者でさえ情報の取捨選択に戸惑うことも多いのですから当然のことです。しかし一方で、私たち大人には、大切な子どもたちを守るために今こそ適切な情報リテラシーが求められいるのも間違いのない事実です。
 
 ということで、今回は子育てに奮闘中の保護者の皆さんに是非参考にしていただきたい、公的機関のサイト、SNSアカウントやスマホアプリをいくつかご紹介させていただきます。当院外来に受診歴のある方には聞き覚えのあるものも多いと思います。
 海外の情勢も踏まえると、この冬はCOVID-19、インフルエンザ、さらにRSウイルス感染症など子どもたちにとって大きな負担となる感染症がまとまって流行する可能性があります。それらの流行に備え、代表的な感染症に関する基本的知識、お子さんをご家庭で看病するときに大切なこと、物品などの準備、家庭内での感染対策、具合が悪くなったときの対処法、医療機関受診の目安、など、参考になるものがたくさんあります。ご家族皆さんがお元気で余裕のあるときから時々のぞいておいて、心構えや準備をされておくことをお勧めします。

① 小児科学会ホームページ「一般の皆さまへ」コーナー
 https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=1
 COVID-19に関する情報ももちろんですが、「子どもの救急」というコーナーがお役に立つと思います。自宅で様子を見れそうか、かかりつけ医の診療開始時間を待って相談すればよいか、あるいは救急外来に行くべきか、救急車を呼ぶべきか、気になる症状別のチェックリストが掲載されています。その他にも、家庭内での事故予防や予防接種に関する情報などが盛りだくさんです。ぜひ、使い倒して下さい。

② 厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルス感染症について」のサイト
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
 特にこの中でも「新型コロナワクチンについて」のコーナーが有用と思います。恐らく皆さんがコロナワクチンに対して抱えている大半の疑問や不安に関して、一定の回答が得られると思いますのでQ&Aのコーナーを是非一度訪れてみて下さい。


③「教えてドクター」スマホアプリ
 長野県佐久市の委託によって佐久医師会・佐久総合病院小児科が作成・開発した、子どもの病気とホームケア、病院受診の目安、予防接種に関する情報などをたっぷり盛り込んだアプリです。内容が迅速にアップデートされるところも非常に有用です。カラフルで可愛いイラスト満載、スマホ世代の親御さんたちに非常に使い勝手のよいアプリと思います(自分の子どもが小さい頃にこれがあったらどんなに心強かったか・・・!)。

④ 新潟大学医学部小児科学教室公式ツイッター(@Niigata_u_ped. 新潟大学医学部小児科学教室 公式 アカウント
 COVID-19に関することのみならず、子どもたちの心身の健康に関する情報をこまめに共有、提供してくれており、私自身大変頼りにしているアカウントです。小児の感染症やアレルギーなどの専門家も多数相互フォロー中であり、安心して参考にしていただけると思います。 

 子育て中は、朝起きてから眠るまで、一日中何かに追われて日常生活をなんとか「回す」のに精一杯で、日々ふと思う疑問や不安もついつい置き去りにしてしまいがちです。しかし、その時の最善の答えを導くのに役立つ一定の道しるべは、今の時代、求めさえすれば案外簡単に見つかることも多いものです。そして、こと医療や公衆衛生に関する情報は、公的なもの、その分野の大多数の専門家に支持されているものをまずは参考にしていただきたいと思います。
 
 残念ながら、COVID-19の第8波は確実にやってくると考えています(2022年11月14日現在)。そして、成人層と小児におけるコロナワクチン接種率の違いなどから、第8波は子どもたちがメインの罹患者となる可能性も指摘されています2。具合が悪くてもすぐにかかりつけの先生の診察を受けられない可能性をも想定して、家族の皆さん全員で準備をよろしくお願いします。厚労省のこちらのサイトを参考にして下さい。
 
「新型コロナウイルス・季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応」 
 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00003.html
 
 なお、おんが病院小児科では患者さん・保護者さん同士、医療スタッフの感染防止に万全を期して引き続きの対策を実施中です。お手数をおかけしますが来院前には必ずお電話にて相談下さいますよう、よろしくお願いします。
 
 
参照サイト
1)新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報):2022年8月31日現在
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2559-cfeir/11480-20-2022-8-31.html
 
2)新型コロナ第8波、小児医療は逼迫するか【時流◆第8波と同時流行に備える・小児科編】聖マリアンナ医科大学・勝田友博氏に聞く
 https://www.m3.com/clinical/news/1092016
 
TOP